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当社のサステナブル投資に対する取り組みとその成果の概要
あらゆる業務において最も高い基準を達成することに注力しており、責任ある事業慣行を組み込むことに取り組んでいます。
当社は、より持続可能な経済への移行に貢献する一方で、お客様の財務的目標達成をサポートする効果的なオルタナティブ投資ソリューションを提供することを目指しています。
これは、ESGへの配慮を当社の投資サイクルならびに日々の業務に組み込むことを意味します。
これを実現するために、当社はコーポレートサステナビリティ戦略を導入し、以下の目標を掲げています:
この戦略により、当社はお客様の資産の運用者および管理人として、自身の行動に責任を持つことになります。
当社のサステナブル投資のフレームワークは、10のESGテーマに基づいています。
これらのテーマは、当社の各資産部門にとって最も重要な要素と考えられています。
当社の運用チームが採用しているこのフレームワークは、提案されている取引に重大な影響を及ぼす可能性のある様々なESGリスクを特定しており、またより持続可能な成果を重視するような仕組みとなっています。
10のESGテーマは、当社の資産部門間のより一貫した統合性を実現する助けとして、分析の構成、さらに投資のライフサイクルを通じたESGリスクと投資機会の監視と報告のために活用されます。
より持続可能な経済への移行において資産運用は重要な役割を果たすことになり、これに伴い、魅力的なオルタナティブ投資機会が生じています。
投資の意思決定にサステナビリティの要因を組み込むことにより、あらゆるステークホルダーにとっての価値が保護され、レジリエンスが高まります。
投資家は、財務的なリターンと同時にサステナビリティによるリターンの獲得機会を益々模索するようになっています。
当社は、お客様のために魅力的な運用リターンを創出しつつ、サステナブル投資という課題を推進する継続的な取り組みについて詳細に解説した第5回サステナブル投資報告書を2025年6月に発行しました。
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当社は、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)および上場企業が気候関連のリスクと投資機会についてより効果的な情報開示を行うためのフレームワークである移行計画タスクフォース(TPT)の提言に沿って、TCFD報告書を作成しました。
同報告書は、当社のお客様、株主その他の主要なステークホルダーに、気候関連のリスクに対するエクスポージャーと当社が模索する気候関連の機会についてより良く理解してもらうことを目的としています。
そこでは、当社が事業運営において気候関連の問題をどのように捉えているか、また気候問題がTCFDの4つの開示要件であるガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標にどのような影響を及ぼすことになるのかが明らかにしています。
もっと読むグレシャムハウスはアクティブ運用会社であり、ポートフォリオ全般における資産の長期的な受託者です。
エンゲージメントや議決権行使を含む積極的な株主行動は、リスクの最小化とリターンの最大化のための有効なメカニズムであると考えています。
エンゲージメントおよび議決権行使活動は、当社の事業慣行および投資プロセスに組み込まれています。どちらの活動も当社の投資アプローチの重要な要素であり、独立した目標とは考えていません。
エンゲージメントと議決権行使に関するポリシー
当社は国連の責任投資原則に署名しており、同原則に沿ったサステナブル投資への取り組みを行っています。当社はUKSIFのメンバーであり、英国スチュワードシップコードの署名機関です。また、Gresham House Energy Storage Fund plcは、LSEのグリーンエコノミーマークを取得しています。
当社は、産業革命前からの世界の平均気温上昇を2℃より大幅に低い水準、できれば1.5℃に抑えることにより気候変動の影響を管理することを目指すパリ協定を支持しています。当社は同協定の目標を十分認識しており、当社の投資の多くが低炭素経済への移行にプラスに貢献すると考えています。
また当社は、従来の財務情報の開示と並行して、気候変動がもたらすリスクと投資機会に関する明確かつ比較可能な一貫した情報の開示を推奨する気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言を支持しています。当社は、当社の業務および投資の意思決定における気候関連のリスクと投資機会を理解するために必要な情報をお客様や投資家に提供するために、当社自身のTCFD開示に取り組んでいます。
LSEのグリーンエコノミーマークがGresham House Energy Storage Fund plcに付与されました。
用語 | 定義 |
9条ファンド | 「9条」金融商品は、EUサステナブルファイナンス開示規則(SFDR)に基づき、持続可能な投資目標を有し、それ以外の環境または社会的な目標に対して重大な害を及ぼさないことが求められています。 |
生物多様性クレジット | 生物多様性にプラスとなる計測可能な成果(例えば種、生態系、自然生息地など)をもたらす行動のために生物多様性ユニットの組成・販売を通じて資金調達を行う際に用いられる譲渡可能な金融商品。生物多様性クレジットは政府あるいは独立した検証機関により認証されます。 |
生物多様性ネットゲイン | 開発前と比べて生物多様性の明らかな向上を実現する開発、土地および海洋管理に対するアプローチ。 |
カーボンクレジット | 温室効果ガスの削減量を数値化し、政府や独立した認証機関によりクレジットとして認証されて売買される譲渡可能な金融商品(すなわち裏付けとなるコモディティの派生商品)。国連気候変動枠組条約(UNFCCC) |
カーボンフットプリント | 団体、個人または企業の温室効果ガス総排出量を示す指標で、通常は二酸化炭素に換算(CO2e)して表示されます。 |
カーボンオフセット | 発生した二酸化炭素やその他の温室効果ガスの排出量を、他の場所で削減または除去した排出量で埋め合わせること。世界資源研究所 |
循環経済 | 再生設計を重視することにより廃棄物の発生を抑止し、限りある資源の消費を削減しつつ成長を促進することを目指した経済開発に対する体系的なアプローチ。 |
脱炭素化 | 大気中の二酸化炭素(CO2)の除去あるいは排出量の削減を意味する用語。脱炭素化は、低炭素エネルギー源への移行や、大気中に炭素を排出しない代替製品または代替的な生産方法への移行により達成されます。 |
ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DEI) | ダイバーシティとは、性別、年齢、人種、性的指向、障がい、宗教、信念、その他の特性において他の人と異なること。エクイティとは、プロセスやプログラムに偏りがなく、公平で、あらゆる人にとって起こりうる結果が同等のものであること。インクルージョンとは、ダイバーシティを歓迎および称賛し、不平等に声を上げ、人々が評価され、尊重されていると感じられるようにすること。 |
排出権取引制度(ETS) | 「キャップ・アンド・トレード」とも呼ばれる排出権取引は、温室効果ガスの排出削減のためのコスト効率に優れた手段です。企業に排出量の削減を促すために、各国政府が排出量の上限を定め、その上限内で許容される排出量の各ユニットに対して排出許可証(排出枠)を発行します。排出企業は自社の排出量の各ユニットに対して排出枠を獲得し、また返却する必要があります。企業は排出許可証を政府から、または他の企業との取引を通じて獲得できます。政府は、排出許可証を無償で、または入札により交付する場合があります。 |
エンゲージメント | 投資の価値を強化・保護するための企業と株主間の目的を持った対話。ESG関連活動を含め、パフォーマンスやプロセスの改善を促すために行われる場合もあれば、戦略、取締役などの見直しを促すことが目的となることもあります。 |
ESG | 環境・社会・ガバナンス組織の持続可能なインパクトを計測し、評価するために不可欠な3つの主要な要素。ESG要素の統合は、伝統的な財務分析の強化のために活用され、テクニカルなバリュエーションを超えた潜在的なリスクと投資機会が特定されます。 |
温室効果ガス(GHG)排出量 | 企業の業務および産業プロセスにおける気体の副産物で、地球温暖化の主要な原因と考えられています。GHG排出には、二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、およびフッ素化ガス(Fガス)が含まれます。 |
グリーンウォッシング | 企業の業務および産業プロセスにおける気体の副産物で、地球温暖化の主要な原因と考えられています。GHG排出には、二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、およびフッ素化ガス(Fガス)が含まれます。 |
ハビタットバンク | 開発その他の人間の活動による環境への悪影響を相殺または補償するために、自然生息地の保存、再生、創造を目指す保護あるいは再生の取り組み。 |
インパクト投資 | 特定のポジティブな社会または環境面での便益を生み出すと同時に財務的なリターンも確保することを主な目的とした投資。インパクト投資は、ポートフォリオ運用と社会・環境面での恩恵をもたらす活動とを直接結びつけます。これまで、大半のインパクト投資は非公開市場を通じて行われています。 |
公正な移行 | 低炭素経済への移行は繁栄を刺激し、雇用を創出する可能性がありますが、過渡的な課題(特に社会的課題)が生じることになり、その解決には責任投資家が貢献できると考えられます。「公平な移行」とは、公害産業で働く人々を含め、全ての人々にとって公正かつ平等な方法でより持続可能な経済に移行することを意味します。 |
マテリアリティ | 特定のセクター、資産あるは企業にとっての特定のESGトピックや情報の重要度を示す指標。あるESG要素がセクター、資産あるいは企業の成功に及ぼしうる影響が大きければ大きいほど、そのESG要素の重要性は大きくなり、逆もまた同様です。 |
現代奴隷 | 「支配者」によって、しばしば暴力を伴ってある行動を強いられ、搾取されている人々。強制労働や奴隷労働、早婚や強制結婚、人身売買や臓器売買を含め、様々な形をとります。 |
自然資本 | 人々に様々な恩恵をもたらす再生可能および再生不能な天然資源のストック。具体的には、土壌、大気、水、あらゆる生物が含まれ、これらは4つの主要な生態系サービスに分類できます(詳細については生態系サービスの定義を参照)。自然資本プロトコル |
天然林 | 種の組成、構造、生態学的機能を含む特定地域原産の森林の特徴の多く、または大部分を有する自然の生態系である森林。アカウンタビリティ・フレームワーク・イニシアチブ(AFi) |
自然を基盤とした解決策 | 社会的な課題に効果的かつ適応的に対応すると同時に人類の幸福と生物多様性の恩恵を提供する、自然の生態系または改変された生態系の保護、持続的な管理、および再生ための活動。国際自然保護連合(IUCN)(2020年)、「IUCN自然を基盤とした解決策のグローバル基準」 |
ネットゼロ・エミッション | ある国、地域、企業、その他の組織、あるいは世界全体が温室効果ガス排出量を最大限削減し、残る排出量は炭素除去により相殺された時に実現します。 |
「Pensions for Purpose」 | 資産運用会社、年金基金および基金のプロフェッショナルなアドバイザーを結び、インパクト投資への資本の流れを推進することを目指す協調的な取り組み。 |
責任投資原則(PRI) | 国連が支援する投資家の国際的なネットワークで、投資家にとってサステナビリティが意味することを理解し、署名機関がこれらの課題を投資の意思決定と所有慣行に積極的に組み込むよう支援することを目的としています。 |
責任投資 | リスク分析の一環としてESG要素を勘案し、場合によっては害を及ぼす一部の商品の排除につながる可能性のある投資アプローチ。これは、長期的な価値の保護のためのエンゲージメントと議決権行使を含みます。 |
科学に基づく目標設定イニシアチブ(SBTi) | SBTiは、気候科学に沿って企業の温室効果ガス排出削減とネットゼロ目標のための最良慣行を定義し、促進する組織。また、最新の気候科学に沿って企業が科学に基づく目標を設定するための方法と指針も提供します。 |
資本スペクトラム | サステナビリティに関するリスクと結果が当社の投資戦略にどの程度組み込まれているかという点に関する当社の考え方を定義づけるグレシャムハウスのアプローチ。資本スペクトラムは、「伝統的」(財務的なリターンを重視)なものから「慈善的」(投資家が全ての資本コストを負担する限りにおいて、非財務的リターンのみを重視)なものまで、多岐にわたります。 |
スチュワードシップコード | 資産運用会社と資産保有者のスチュワードシップの望ましい形を示した指針。スチュワードシップコードは国ごとに各監督当局により策定されます。英国では現在、2020年スチュワードシップコードが採用されています。 |
サステナビリティ開示要件(SDR) | 投資家や消費者がそれぞれの価値観に沿った財務上の意思決定を行うことを可能にするために、サステナビリティに関する情報が実体経済に浸透することを目指して策定された規定。商品(ファンド)および被投資会社(企業)レベルの開示要件を設けることを目的としています。 |
サステナビリティリスク | 実際に発生した場合、投資価値に重大な悪影響を及ぼす、あるいは及ぼす可能性のある環境・社会・ガバナンス関連の事象や状況。 |
サステナブルファイナンス開示規則(SFDR) | ファンドのサステナビリティ特性の比較をより可能にし、最終投資家にとって理解しやすいものとすることを目的としたEU規則。投資プロセスによる環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する結果を評価するためのあらかじめ定義された計測方法に重点が置かれます。その名称が示唆するように、被投資会社がもたらす有害なインパクトの特定を求める新規定を含め、情報開示が重視されています。 |
サステナブル投資 | ESG要素はリスク分析の一部と捉えられており、市場リターンを犠牲にすることなく環境または社会的テーマあるいはサステナビリティ関連の結果に沿った投資機会を特定するために活用されます。サステナブル投資は、長期的な価値を保護し、サステナビリティ基準を満たすための的を絞ったエンゲージメントや議決権行使を含むと考えることもできます。 |
気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD) | より多くの情報に基づく投資、クレジットおよび保険の引受に関する意思決定を促進する、より効果的な気候関連の情報開示を奨励する提言。翻って、これによりステークホルダーは金融セクターにおけるカーボン関連資産の集中状況と金融システムの気候関連リスクへのエクスポージャーをよりよく理解できるようになります。具体的には、次の4つのカテゴリーで構成されます。 1.ガバナンス-気候関連のリスクと投資機会に関する組織のガバナンス 2.戦略-気候関連のリスクと投資機会が組織の事業、戦略および財務計画に及ぼす、あるいは及ぼす可能性のある影響 3.リスク管理-組織が気候関連のリスクを特定、評価および管理するプロセス 4.指標と目標-重要な気候関連のリスクと投資機会を評価し、管理するために用いる指標と目標 |
自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD) | 政府の承認を受けた科学に基づく市場主導のタスクフォース。変化する自然関連のリスクについて組織が報告し、行動を起こすためのリスク管理および情報開示の枠組を構築し、導入することを目的としており、最終的には、自然にネガティブな結果をもたらすものから自然にポジティブな結果をもたらすものへの世界の金融フローのシフトを促すことを目指します。TCFDの枠組に沿って、4つのカテゴリーを採用している:ガバナンス、戦略、リスク管理、および指標と目標 |
国連持続可能な開発目標(SDGs) | 相互に関連した17のグローバルな目標で構成され、「全ての人々にとってより良い、より持続可能な未来を築くための青写真」となります。SDGsは、2030年までに世界各国が達成することを目指す行動目標として、2015年に国連総会で採択されました。17の各目標の下には、目標達成に向けた進展状況を把握するためのターゲットと指標が設けられています。 |
議決権 | 株式投資家は通常、定時株主総会および臨時株主総会において、個々の取締役の任命や報酬、買収・合併といった問題に関して投票を行う権利を有します(各国の法的枠組みによる)。 |
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